ハステロイ製プレート
ハステロイ加工とは
ハステロイ加工とは、耐食合金であるハステロイを切削や研削などで目的形状に加工する技術です。
ハステロイとはニッケルを含む超合金であり、優れた耐熱性と耐食性を持った材料となります。
錆びに強い材質であるステンレスより更に錆びにくく、特殊な薬品を使う装置や機器に用いられ、航空機の部品や化学プラントの薬品タンク、汚水処理装置の配管などに利用されます。
C276、C22、Bなどの種類があり、耐薬品性や防錆など、求める特性によって使い分けられます。
ハステロイは難削材として知られています。
ハステロイの特長と加工の難しさ
ハステロイは耐酸化性・耐食性(化学薬品、酸、海水など)や高温耐性(高温環境でも性能を維持)を持っているので、あらゆる製品に採用されています。
しかし、ハステロイを加工する際にはでは以下のような課題を克服する必要があります。
- 硬度が高く熱伝導率が低いので、加工時の熱が逃げにくく、工具が熱を持ってしまう。すると加工硬化が生じやすい。
- 工具の摩耗が早く、精度を出すためには工具の選定や頻繁な交換が重要
- ニッケルの含有量が多い素材なので、切粉が切れず処理が困難
そのため、ハステロイの加工は敬遠されることもあるようです。
ハステロイC276プレートの加工事例
当社ではハステロイの加工に多数の実績がございます。本事例の概要は以下の通りです。
- 素材:ハステロイC276
- 寸法:Φ70 mm × t3 mmの薄板
- 要求精度:平面度0.08 mm
加工方法と工程
旋盤加工にて表面と裏面の加工を行い、マシニング加工で穴あけを行いました。
薄板形状のため、そりや歪みを抑えるためには加工順序や切削条件の最適化が重要となります。
具体的には加工時の回転数を低速回転に調整したり、送り速度の調整、治具を活用して歪み防止、専用クーラント対応などが上げられます。
ハステロイの加工に必要な技術
当社では、ハステロイを加工する際に以下のポイントを抑えて加工を行っております。
加工機械の選定
- 剛性の高いマシニングセンタや旋盤の使用
加工機械の選定
- 素材や形状に合わせた低送り・低回転での切削
- 冷却効果を高めるためのエアブローや高圧クーラントの活用
工具の工夫
- 超硬工具、セラミック工具、コーティング付き工具の使い分け
治具・固定
- 反り防止専用治具の使用
- チャッキング技術の工夫
これらのポイントを、加工製品に合わせて最適化することで、ハステロイの加工を実現しています。
加工対応が可能なハステロイ素材の種類
当社では主に以下の種類での加工実績がございます。
種類 | 特長 | 主な用途 |
---|---|---|
C276 | 耐酸化・耐薬品性に優れる | 化学プラント、医薬装置 |
C22 | 多目的に使える | 半導体装置、化学装置 |
B2 | 塩酸耐性に特化 | 化学工業 |
X | 耐熱合金 | 航空機部品向け(タービンブレード、エンジン部品) |
特に半導体装置に使われるノズルやプレートの実績が豊富です。
よくある質問
-
Q1.ハステロイはどのような加工が可能ですか?
切削・研削・穴あけなど、目的の形状に加工が可能です。 -
Q2.加工図面が無くても相談できますか?
形状や精度などの条件によりますので、応相談での対応となります。 -
Q3.ハステロイC22や他のグレードにも対応していますか?
基本的にはどの素材にも対応可能です。 -
Q4. これまでステンレスで作っていた製品を、(耐熱性などの関係で)ハステロイで作ることは出来ますか?
形状や精度などの条件によりますが、基本的には対応可能です。 -
Q5. ハステロイの調達からお願いできますか?
一般的なものであれば対応可能です。Xなどの特殊な素材の場合は要相談となります。
加工のポイント
産業装置向けのハステロイC276製プレートです。
薄物加工により、直径Φ70mm、厚さ3mmという精密な寸法と、平面度0.08を実現しています。
高い耐食性を持つハステロイC276を当社の切削加工技術で高精度に仕上げました。
製品仕様
- 部品名
- プレート
- 材質
- ハステロイ C276
- 寸法・精度
- Φ70 × 3
- 用途・産業
- 産業装置
他の加工実績
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